2016年7月12日火曜日

アメリカの銃規制が緩いというのは嘘だった?

犯罪に使われる銃の95%は非合法な手段によって入手されたもの。

Myths of European Gun Laws

Darrin Weiner

数年前にカナダの犯罪学者Gary Mauserと私は暴力犯罪と銃規制との関係を詳細に調べるという当時はほとんど存在していなかった(と思われる)論文を出版した。私たちの論文は広範囲に広まっている2つの神話を崩壊させた。第一は、ヨーロッパの銃規制はアメリカよりも厳しいというものだ。第二に、ヨーロッパの方が犯罪が少ないというものだ(「Would Banning Firearms Reduce Murder and Suicide: A Review of International Evidence,” Harvard Journal of Law & Public Policy, vol 30 (2007)」)。

EUROPEAN GUN LAWS

ヨーロッパの銃規制はアメリカのものとは異なるというのは事実だ。それはヨーロッパの銃規制が銃による犯罪ではなくて政治的暴力を対象としていることによる。だがヨーロッパの銃規制はより厳格ということはない。単なる無知だけがヨーロッパの銃規制はアメリカよりも厳しくて、その規制がヨーロッパの犯罪率を低下させていると主張させている。

そのような主張が間違っているというのはハンドガンや防衛目的での銃の所有を禁じたワシントンD.Cの決定を最高裁が無効にした時の記録に表れている(Heller)。その裁判での法律助言書において、数十人のヨーロッパの法律学の教授が自分たちの国の法律の方が遥かに制限が緩いと証言している(「Brief of Amicus Curiae International Scholars in Support of the Respondent; District of Columbia v. Heller (2008) (No. 07-290), 2008 WL 466090」)。

その上、ヨーロッパの銃に関する法律は犯罪に対してアメリカよりも遥かに積極的な使用を認めている。2つの事例からそれを説明したいと思う。

SHOOTING THIEVES

コロンビア大学の法律学の教授はドイツの例を用いてヨーロッパの法律がアメリカの法律とどれほど大きく異なるのかを説明している。1920年代に、ドイツの農民は彼の果樹園から盗みを働こうとしていた飢えた子どもたちを撃とう(射殺)とした。アメリカの法律では、その農民は明らかに有罪だ。だがドイツの裁判所は彼を無罪とした。ヨーロッパの法律はイマニュエル・カントの考えに従っているためだ。彼の考えによると、正しいことと間違っていることがあり、正しいことが間違っていることを生み出すことはありえない!その農民は正しい側にいて、飢えた子どもたちは間違った側にいる。従って盗みを止める唯一の手段が子どもたちを射殺することであれば、それは罪には問われない。

ドイツの憲法は後にこれを覆した、それを強化する方向へ…ドイツの憲法は子どもたちが撃たれた場合だけを改正した。だが農民は大人が果物を盗もうとした時には彼を射殺するだろう。

SHOOTING A RETREATING RAPIST

以下の例はアメリカの法律とより銃に親和的なヨーロッパの法律との違いを際だたせるために考えた架空の例だ。レイプ犯が女性を暴行しようとした。だが彼女が財布から銃を取り出した時に、犯人は逃げようとした。その女性は、怯え怒りにかられていたので、逃げようとしていたにも関わらず犯人を射殺した。アメリカの法律ではこれは「imperfect self-defense」と呼ばれる。もしその犯人が死亡すれば(殺人ではないが)故殺となるだろう。犯人が死亡しなかったとしても殺傷能力の高い武器による暴行罪に問われるだろう。

だがオーストリア、オランダ、フランス、ドイツ、イタリアの法律では判決は完全に異なる。彼女が「怒り」から犯人を射殺したとしても裁判所は彼女を無罪と宣言するだけだろう。

BUYING/OWNING GUNS – LAW JUST AS PERMISSIVE AS OURS

銃を購入すること所有することに関して、ヨーロッパの法律はアメリカと同程度に認めている。9ミリのハンドガンを購入するのにヨーロッパの多くの国では許可がいるというのは事実だ。無知が理解してないのは、これは「military-caliber weapons」を特別にコントロールするためのものだということだ。同様の制限によってmilitary caliber riflesの購入/所有にも特別の許可が必要となる。だが他のライフルやハンドガン、例えば.380、.38 Super、9mm Ultraライフルやもっと強力な多くのハンドガンには制限が課せられていない。例えばマグナム全種類、.40 S&W、.45 auto、.45 Long Colt、.454 Casull、.460 S&W Magnum、475 Linebaugh、.480、.500、それに他の強力なハンドガンなどを制限なく購入できる。

ITALY – GUN LAWS

ニューヨーク州やニュージャージー州、マサチューセッツ州、カリフォルニア州などの住民とは異なり、イタリア人はリボルバー全種類、もしくはセミオートを購入することが出来る。許可も必要ではないし待つ時間も必要ではない。ハンドガンには登録が必要ではあるが、ハンドガンの購入はアメリカ人がテキサスで遭遇するよりさえも面倒も規制も少ないだろう。

AUSTRIA – GUN LAWS

オーストリア人はセミオートのピストルの購入には許可が求められる。だがリボルバーには求められない。その上、犯罪歴のない人には防衛目的のためにセミオートのピストルの購入の許可に特別の権利が与えられる。

AUSTRIAN CARRY PERMITS

銃の携帯はニューヨーク、マサチューセッツ、カリフォルニアなどよりもオーストリア人の方が遥かに許されている。3700万人以上の人口に対してカリフォルニアは銃の携帯許可を40万発行している。オーストリアは人口が700万人でしかないのに20万の銃の携帯許可を発行している。

FRANCE, GERMANY – GUN LAWS

フランスとドイツでは現代的設計のハンドガンの所有には許可が求められる(犯罪歴のない家庭には簡単に与えられる)。だがカウボーイスタイルの銃が欲しいのであれば、1895年以前のデザインのリボルバーを購入するのに、例えそれが最近製造されたものであったとしても許可は求められない。

政治的犯罪を防ぐというその目的に整合的に、ヨーロッパの法律は銃が重複するのを禁じている。口径の異なる銃は複数所有できるが口径が同じ銃を10や20も所有することは出来ない。

セミオートにはマガジンのサイズに制限はない。

CRIME RATES

ヨーロッパでは、9つの国が10万人あたりの銃の保有数が5000を下回っている。7つの国は10万人あたりで見てその3倍の銃を所有している。銃を規制すると殺人が減少するという神話とは驚くほど真逆に、上記の9つの国の犯罪率はとても高い。その9つの国の犯罪率は10万人あたりでの銃の所有率が高い7つの国の3倍以上だ!

私たちは多くの例を集めた。ノルウェーは西ヨーロッパで銃を保有する家庭の割合が最も高いが(32%)、殺人率は最も低い。オランダは銃の保有率が最も低く(1.9%)、スウェーデンはその中間に位置する(15.1%)。だがオランダの殺人率はノルウェーよりも高くスウェーデンはそれよりも僅かではあるが高い。ギリシャの銃保有率はチェコの2倍以上だが、銃による殺人はギリシャで遥かに少なくギリシャの全体の殺人率もチェコより低い。スペインはポーランドの12倍銃の保有率が高いが、ポーランドは銃による殺人がスペインより33%ほど多く全体の殺人率はスペインのほぼ2倍だ。近隣のエストニアよりも14倍銃を保有しているフィンランドだが、エストニアの中による殺人率と全体の殺人率はフィンランドよりも7倍ぐらい高い。

アメリカよりも銃規制が緩い西ヨーロッパや北欧の殺人率は低い。だが銃を禁止している国は違う。例えば、

RUSSIA

ロシアは1929年にハンドガンを禁止し遠距離銃を厳しく規制した。ロシアと前ソビエト連邦、ヨーロッパでのその衛星国家の殺人率はアメリカよりも遥かに高い(例えば、ロシアの殺人率は10万人あたり20人以上だ)。

だが唯一の懸念が銃による殺人をなくすことであれば、ロシアはまさにそれをやっている。全体の殺人率ではアメリカやヨーロッパの多くを遥かに上回っているのだが。従ってロシアの経験が示しているのはハンドガンを規制することは殺人をまったく防がないということだ。

ロシアのハンドガンの禁止がうまくいったのは、そもそもロシア人が貧しすぎて銃を購入する余裕がないという所が大きい。だがロシアには他にもユニークな点がある。ロシアは軍隊も警察も銃と弾薬を独特なものを採用している(他の国ではほとんど見られない)。よってロシアの兵士が外国の銃を奪って家に持ち帰ったとしても、それに合う弾薬を見つけることが出来ないだろう。

ENGLAND

1997年に合法的なハンドガンがすべて没収された銃規制のとても厳しいイギリスはどうだったか?イギリスの殺人率は西ヨーロッパで最も高くイギリスの犯罪率全般もアメリカより遥かに高い。イギリスの暴力犯罪率は10万人あたり45000だ。イギリスの強盗件数は10万人あたり2000でアメリカでは600だ。イギリスのレイプ件数は10万人あたり6100でアメリカより3倍以上高い。

1990年代の後半に、イギリスでは数十万のハンドガンと射撃用の銃が犯罪歴のない所有者から没収された。だが今日のイギリスの暴力犯罪のニュースの見出しは芝居がかった、犯罪が今よりも数倍多かったかつてのアメリカの事件報道を髣髴とさせるものとなっている。2002年のイギリスのNational Crime Intelligence Serviceは、「イギリスは世界で最も厳しく銃を規制している。だが銃を(非合法に)手に入れたいと思う者はいとも簡単に銃を手に入れられるようだ」と嘆いている。

これまた2002年に、ハーバード大学のJoyce Lee Malcolmは「GUNS AND VIOLENCE: THE ENGLISH EXPERIENCE」を出版した。これはイギリスの銃規制の失敗をまとめたものだ。1900年には、イギリスには銃規制が存在しなかったが犯罪率は世界で最も低かった。イギリスがその後、銃規制を強めていくと「イギリスの中で規制の厳しい地域、アメリカ、スイスと銃の所有率の高い地域が最も犯罪率の低い地域となった」。

「Concomitant」は銃規制に関して利用可能なすべての情報が集められた、連邦政府がスポンサーとなった研究だ。その筆者たちは最初は銃反対派だったのが、銃に関して調べていくうちに「銃を入手しにくくさせること全般が、犯罪の意図を持った個人に銃を入手しにくくさせること、犯罪の意図を持った個人が銃規制によって武装できなくなることを少しでも示した証拠は存在しない」と結論している。

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